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宮城県の話

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上の写真は宮城県の石巻にある結日丸(むすびまる)
地元の漁師が所有していた「大漁旗」を再加工して色々な製品を販売するお店。
写真の彼は田中鉄太郎君、東京の出身ですが震災後にボランティアで石巻に来て被災地に会社を立ち上げ雇用を作るまでに至る。

今回、所沢チャリティプロジェクト「ツナゲル」での収益を義援金として納める為にメンバー6人で宮城県の石巻と七ヶ浜と女川を訪れました。
率直に思った事は昨年に訪れた福島県南相馬とはまったく状況が違うということ。
南相馬に関してはまざまざと絶望を見せつけられたけど、今回出会った宮城県の浜の人達からは笑顔が溢れていて沢山の希望を感じた。
途中に通った松島などは流石に日本の有名観光スポットなだけに月曜日と云うのに観光客がそこそこいて津波の傷跡を感じるところは無い。
しかし、昨日の新聞では未だ仮設住宅の入居者は9割以上で数字の上では復興と呼ぶには程遠い状況であると書いてある。

つい先日、東京オリンピックの招致で喜びに溢れる映像を沢山観ましたが、それは決してマスコミに問題があるわけではなくテレビの必然であって、
逆にすべての被災地の人達が悲観しているかと云うとそうとも言い切れない。
人は住む環境によって幸せの感じ方がそれぞれあるのだから鉄太郎君のように全国、全世界から被災地に移住して「新しい町」を創る事で喜びを見つける人たちがいることも事実。
僕自身も本来所沢とは何の縁もないのだけれど今では沢山の柵が僕自身の支えになっている。
不謹慎を承知で夜通し歓楽街で遊びまっくってきましたが、鉄太郎君と同じようにボランティアでやってきて今は割烹料理屋を営む若者、11年フィリピンパブをやりくりするお姉さん、はたまた3日前に入国したお姉さん、居酒屋の大将、民宿を経営する社長
みなさん最高の笑顔で溌剌としていました。
しかし決して楽観してはいられない事態があるのもまた事実。
防潮堤の建設にまつわる様々な問題、美しくなおかつ人が営む浜の復活に関する考え方の行政とのギャップ、詳細はここでは書きませんがやはり取り組まなければならない問題は山積みでした。
でもきっと鉄太郎君のような情熱を持った若者たちがゆっくりと時間をかけて解決していくのだろうなぁと、漠然と思ったりもするのです。


ところで
このブログを書いている間、ずーと頭の中でなっている曲があるのでこちらに差し込みます。


カンサスシティバンド
「新しい町」


町ができる 町ができる 新しい町ができる

傷つき息絶えた大地の上に 新しい町ができる

晴れた日にはガレキを片付け 

雨降る夜には酒で温まり

希望と絶望を繰り返し 新しい暮らしが始まる

東から来た男が土を耕し 南から来た女が苗を植える

西から来た男が火をおこし 北から来た女が飯を炊く

町ができる 町ができる 新しい町ができる 傷つき息絶えた大地の上に 

新しい町ができる

やがて川に橋がかかり やがて家が建ち 道が出来

やがてこの町で初めての 新しい命が生まれる

町の中心に墓が出来る あの時代の記憶を刻み 戒めと祈りがこめられた 誓いの墓が出来る

町ができる 町ができる 新しい町ができる 傷つき息絶えた大地の上に 

新しい町ができる

朝日が昇る 日が昇る 新しい町に日が昇る

絶望の底から立ち上がる この町に日が昇る 





チャリティという大義名分のもとに僕たちは活動を続けて来ていますが、
昨年の福島、今年の宮城と現場に行ってこそ何を必要としているのかが解る。
今回の旅行もまた来年に向けての舵取りに大きな影響を受けました。
いろんな被災地の人達とコミットする事で、何となく付いたこのチーム名「ツナゲル」という本来の言葉の意味をいま非常に力強く感じています。


おまけ
飲食店を営んでいる者の目線からして宮城県と云うのは食材の宝庫である。
毎回東北を訪れて感心するのは果てしなく広がる田園の風景で、この風景が日本を支える基盤であり日本人のアイデンティティーの一端を担っているのではないかと思わせられる。
モジョで使っている米も殆どが宮城産であります。
少し前に流行った「地産池消」という言葉を実のところ僕は軽蔑しているのだけれどそれはそういうこと。
アナゴの白焼き、仙台牛、金華サバの刺身等々口に入れるものすべてが感動をくれた。
そして勿論、日本酒も最高でした。(翌日廃人になるほど飲ませていただきました)
鉄太郎君の言葉「宮城にはなんでも有る」これはほんとうに羨ましかった。
フードマイリッジがどうのとかCO2がどうのとか色々あるのでしょうが僕は宮城の米を食べ続けます。
そして今度、石巻に行く時は是非とも所沢のビールを持っていって乾杯をしたい。
by mojo-m | 2013-09-12 04:19 | Trackback

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