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20周年を迎えて

2004710日に音楽喫茶モジョは営業を開始しました。


一般的に30坪のテナントは、右も左もわからない素人が始める店としては、ちょっとスケールが大きいかなと、そこについては思う所がありました。自分としては人がやらないことをやろうとしている手前「一般的には~」っていう物言いは耳に入らない。多数の反対意見がありましたが、それを無視しての契約、着工、完成、営業開始へと、物件が決まってから4カ月でこぎつけたのです。

何故30坪にしたかというと、単純にドラムセットを常設したかったのです。

そして、物件を選定する条件として立地は二の次でしたが、駅から歩ける距離にはこだわりました。それと、音楽好きな人なんて実はそんなにいないと思っていたし、地元の音楽好きな人だけで店を回せるとはハナから思っていませんでしたので、方々から集まれる  ターミナル駅という利点を考えて、所沢を選んだ記憶があります。


実際に自分も音楽を聴いたり演奏したりするときは都心まで出ていくことが多かったし、様々な地域から人が来ることを考えると、新宿、池袋から電車で30分、所沢駅から歩いて10分以内というのは先ず先ず悪くない条件かなと思いました。
それで、自分の理想の店というのは、自分が客の立場になった時に毎日通いたくなる店なのですが、自分が店に行く一番の理由は、そこに会いたい人がいるからなんですね。
そういうことで、僕にとってはオーナーが店舗に常駐しているというのが重要なのです。

よく、オーナーが現場でばたばた動いていたら事業は拡大しないよ、なんて言われることもありますが、自分にはそういう拡張拡大の願望が全くありません。
これ「企業」の定義からは完全に外れてしまうのですが、
抑々、音楽喫茶モジョを事業だと自覚したことが無いのです。

店を経営、維持できるのは、そこに来てくれるお客さんがお金を使ってくれるからなので、自分の仕事は、そのお客さんが楽しんで頂けるようにサービスを提供して、お客さんが落としてくれたお金を再分配して、お客さんの居場所を維持するだけなのです。
僕にとって、お客さんは株主みたいなもので、ある意味お客さんが店を維持しているわけで、店主には様々な判断をする権利がありますが、店というのは店主の所有物ではないのです。

今回、「20周年ですから何か催しをやりましょうよ」とスタッフから提案された時に、 フリーコンサートを思いついたのも、お客さんから預かったお金がいくらか貯まったから、それ使っちゃおうかという単純な発想だったのです。
商売で得た売上なんて、実はお客さんからお金を預かっているようなものですからね。
利益率がどうのとか、売り上げの拡大とかっていうのを目標にして日々奔走しても、自分の目的はコミュニティの拡張ではなく維持、そして練磨なので、宣伝広告やマーケティングと云った、いらないことに時間や労力を使いたくないのです。
まぁ、解りやすく言い換えれば、だいたいが自分は怠け者なので、ダラダラでもいいから 素敵な仲間たちと楽しい事だけやって生きていたいのです。
顧客満足なんてビジネス用語を使うと偉そうな感じがしますが、モジョを利用してくれた人が楽しかったと言って頂ければ、それが何よりも自分のモチベーションになるのです。

幸いなことに、そう云った考え方をウチのカミさんも共感してくれるし、またそんな夫婦を支えてくれるスタッフがいる。
そして気づけば20年という月日が経っていました。
思い起こせば20年間、沢山の、人との出会いと別れがありました。

その全ての出会いが今の自分を構成する要素となっていて、全ての別れから沢山の勉強をさせてもらいました。

あと何年モジョを続けられるか解りませんが、人の一生なんてあっという間に終わって しまいます。

そういう心持で何事にも躊躇せず挑戦し、刺激を求め、今後もモジョが楽しく居心地のいい場所であり続けるために精進していきたいと思っています。

音楽喫茶モジョ
店主 工藤昭太郎


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# by mojo-m | 2024-08-04 00:19 | 独り言 | Trackback

所沢の音楽喫茶「MOJO」店主が綴る寝言の数々


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