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勉強

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近藤房之助のライブをやったのは今回で3回目でした。
今回は比較的に前回と選曲が近かったのだけれど、
実に新鮮で、何というか常に新しい発見がある。

表現者って云うのは、結局のところ何を表現するのかって云うと、
発想や技術というよりも、まず一番大事なのは「経験」を表現することなんだね。

また勝手な事を僕は書いているけど、
発想(アイデア)や技術(テクニック)ってのは、まぁあたりまえにあって、
そこに狭間見えるその人の「経験」にハッとするのだ。
だからベテランのステージは面白い。

よく12小節を短音でチョーキングなんてあるけど、やろうと思えば誰にだってできる。
でもその人の生き様によって聴こえ方が違うんだよな。
こんなこと前にも書いたかな?



ここ数年いろんな有名なミュージシャンと出会う事が多く、
そこから学ぶことが非常に多いのだけれど、
最近、興味が向くのがマネージャーである。
彼らは個々に抱えていミュージシャンのコーディネータであり、プロデューサーであったり、足場馴らしであり、時に友人であり、時に親のような存在であったりと個性豊かである。
当のミュージシャン以上にミュージシャンのことを理解していて、明確な思想を持っている人が多いので、
マネージャーとの会話によってそのミュージシャンの本質を垣間見ることが出来るのが、
楽しみの一つ。

房之助さんのマネージャの古家さんもまさにそう。


最近N川君に「君はもう音楽業界の人だよ」といわれて、
僕はただのコックだと自分に言い聞かせているのだけれど、
そもそも一音楽ファンとして色々と思うところがあり、
それを言葉や行動で示した時に、他人を巻き込んだり、それによって他人に影響を与えてしまうことがあるのは事実で、
そこは無責任に振舞えないという立場が出来てしまっていることもまた事実。

実際は、ちょっとしたライブが出来る居酒屋を切り盛りしているだけなのだけど、
町の少年野球の監督が、野球業界の裾野を支えている感覚で僕は音楽業界の中に突っ立っているのかもしれない。
しかし、あくまでも一ファンである。


「最近の子は一枚のレコードをプレーヤーでかけすぎると白くなることを知らない」

帰り際に古家さんが言ったセリフである。

まぁ正直いうと僕は白くなるまで一枚のレコードを聴き込んだことがないので、何も言えずにニヤニヤしてしまったが、
たかだか10分くらいの会話だけど
このセリフの前後には一晩語り明かしたくらいの熱い思いが交差しました。
by mojo-m | 2010-08-29 04:24 | 過去のイベント | Trackback

所沢の音楽喫茶「MOJO」店主が綴る寝言の数々


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