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「大人」についての話

10代から20代の前半にかけて、ある種一つの癖のように「大人」という言葉を使って論議をぶつ。
比較的手短な所に「先生」と呼ばれる大人がいたし、飲み屋に行けば百戦錬磨の「おじさん」がいて取りあえず絡む。

まぁ本当に「先生」からしたら迷惑な話です。
授業にもろくに出ない生徒から放課後、仕事で云うなら「時間外」にアホな餓鬼に絡まれるのです。
「大人はズルイ」だの「大人はヒキョウ」だの「団塊の世代(※1)は断罪しろ」とか、まさに猛烈な中二病(※2)です。
そして当たり前のように窘められたり宥められたりするのです。

サラリーを貰うようになってからガラリと変わりました。
単純です。
自分自身が大人(※3)になったので「大人は・・・」っといった切り口が出来なくなったのです。

その立場にならなければその立場の人の理屈というものは理解できないのですね。

だからなのか、言葉遊びの延長にある自己顕示の強いヒップホップに少し恥ずかしいものを感じてしまうのです。
きっとプロテストソング(※4)にかぶれてた中学高校時代を思い返し彼らに大二病(※5)的な視線を浴びせているのかもしれない。


話がまた逸れ気味ですが、何が言いたいのかというと、
人と云うのは歳を重ねなければ解らないその歳相応の感覚や知覚があるのです。

自分自身も今年で41歳になるのですが、まさかこんな歳になろうとは思ってもいませんでした。
飲んだくれていようが、ニートしていようが、だまっていても人は歳をとるのです。
そして思考がちょっとだけ変わるのです。


そんな事に気付いたここ数年、
めんどくさいだろう目上の人(※6)と接していても、以前よりも寛大な気持ちで接する事が出来るようになりました。

そこには50代には50代の、60代には60代の、70代には70代にしか解らない感覚があるわけで、
それを知らない40代の自分は自分の物差しでそれらを解釈してはいけないのだなと思うのです。


ここ数年、ウイリアム・バロウズや坂口安吾などを読み返してますが、
20代の時に感じたものとまた別の解釈があり非常に楽しい。
音楽もそう、相変わらずプログレとブルースが好きですが若い頃から聴き続けている楽曲にも新しい発見があります。
そして、これから「2001年宇宙の旅」を30年ぶりに観ようと思いますが、これらの事を考えると興奮してきます。



※1 僕にとっては21歳~23歳位上の人達なので当時の40代、つまり当時働き盛りだった人達
※2 中二病http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%BA%8C%E7%97%85
※3 柄が大人になっただけで実は何も変わっていない。現に会社に行っては社長に噛みつく。
※4 ブルース・スプリングスティーンやポリスを聴いていた中学生はライヴエイドの微熱を引きずる。
※5 大二病http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C6%F3%C9%C2
※6 主に人の話を聞かない人、「最近の若い者は・・・」が口癖の人、見下す人、読売のナベツネ、など
by MOJO-M | 2011-11-02 04:52 | Trackback

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